カーボン
TC-35のカーボンを使用している。これはリムに非常に高い剛性を与え、ホイールのハードな要請に十分な堅さで対処できるからである。だから、柔らかいカーボンではなく、堅いカーボンを使用し、究極の堅さに耐えるものを選んだ。中には部分的に剛性を上げるためにハイモジューラスシートを加えているものもある。全てのリムはEcomと呼ばれる加工で型どっている。これはリムの内側の形をしているカスタムメイドのエアバックでリムをかたどるものである。これはリムの内側の表面全体に均一に圧力をかけることにより、リムを成型しているカーボンシートを密着させることができる。更に、リムの内側も均等に滑らかにしている。リム精度が上がり、リムを軽量、かつ強度にすることができる。Ecomは内側を滑らかにもする。これは大きな長所であり、カーボン製品にとって当然のことではない。例えば、ニップルに関して考えると、リムとの接触面が均等になることにより、スポークテンションの移行が潤滑に行われ、スポーク自体とニップル、スポークの穴をトラブルを最小限に留める。実際には異なる複数カーボンのレイヤーを使用し、 外側の層のみ3K(垂直な編み込み)で、この層の下側はUDFの層(単一方向)である。カーボンファイバーは引っ張り方向の力に強い。さらにリムを堅く強度を十分にするためにカーボンの層をクロスさせている。一方、圧縮方向の力に対しては、その強度を十分に発揮できない。【図1】しかし、あらゆる方向に重ね合わせると、別の角度が樹脂を相互に連結させ、全方向から力に耐える得るようになる。これが複数のカーボンを使用する理由だ。【図2】3KはUDFに比べてわずかに剛性と重量比率が低いが、リムの表面に使用している。この理由としては、例えば転倒で1本(或いは複数の)UDFが切断された時、シートは断裂され、裂け目が広がっていくからである。一方、3Kは繊維が垂直に編みこまれている為、裂け目を止めることができる。【図3】リムに穴が開いたまま乗ることを勧めはしないが、リムのどこが損傷しているかわからない状況や、すぐに止まることができない状況は起こりえる。その場合でも3Kを使用することで安全性の確保ができる。
チューブラータイヤの取付方法
FFWDは、チューブラータイヤの取り付けに接着性リムテープの使用を推奨していません。カーボンリム用のリムセメントでチューブラータイヤ接着することでリムに最適にフィットします。
カーボンリムを削らないでください!
タイヤの取り付け時に金属性の堅い工具を使用しないでください!
1. 接着前に、タイヤをリムに数時間嵌め、空気を入れて成型することをお勧めします。
2. ベンゼン等でリムをクリーニングしてください。
3. リムに第1層の接着剤の塗り、これを完全に乾燥させます(好ましくは24時間)。
4. リムの接着剤の第1層上に第二層とタイヤに第1層を塗ります。
5. リムとタイヤの両方を10分程、そのままの状態で待ちます。
6. リムにタイヤを載せ、センターを合わせます。
7. タイヤを8Bar程に膨らませ、24時間乾燥させます。
チューブラーホイールの接着剤の除去方法
接着剤を除去するにはベンゼン等の溶剤を使用します。しかし、それでも除去できない場合は、古い接着剤の上に新しいタイヤを接着しても構いません。新しい接着剤が触れることで古い接着剤もが柔らかくなります。また決して先の尖っていたり、堅い工具を使用しないでください。カーボンリムを傷つけ、ダメージを与える恐れがあります。
カーボンブレーキ面の制動性能について
カーボンブレーキ面の制動性能は近年、飛躍的に改善されました。 同時にブレーキパッドの進化と共にブレーキ性能は、ウェットコンディションにおいてもアルミとほぼ同等です。
カーボン用FFWDブレーキパッドはアルミリムにも使用できますか?
いいえ、使用できません。アルミリムにカーボンリム用のブレーキパッドを使用しないでください。Swissstopにより開発されたFFWDブレーキパッドはカーボンリムへの使用を前提として設計されています。アルミリムで使用後、アルミの破片がパッドに付着している可能性が非常に高く、再度カーボンリムで使用すると破片がカーボンを傷つけ、ダメージを与えてしまいます。これはいかなる保証の対象外となります。
ブレーキ面のクリーニング方法
カーボンまたはアルミの素材を傷めず、制動性能に影響を与えないようにするにはブレーキ面をアセトンを使用してクリーニングすることを推奨します。
ブレーキシューの適切な取付位置について?
適切な位置に調整にされていないと、カーボンリムにダメージを与えてしまう恐れがありますので注意が必要です。具体的には、リムブレーキ面に対してなるべく内側の位置にシューが当たるようにセッティングします。チューブラーリムはタイヤを貼り付ける為にタイヤの接着面がRになっています。そのR部分はカーボン断面が厚くなります。肉厚があると放熱されにくいので、ブレーキングの摩擦熱(ダウンヒル時ブレーキかけっぱなし等)によりカーボンがオーバーヒートを起こし変形する可能性があります。イメージ図ですが、黒線がブレーキシュー面とすると黄線にシューの位置を設定することで放熱効果が得られます。なお、ブレーキシューの調整は安全面に関わる重要な箇所なので、信頼のあるプロショップにてご依頼、定期点検されることを推奨します。